アジアの中央部には、8000mをこえる山々が連なるヒマラヤ山脈(図のA)やチベット高原(B)があり、「世界の屋根」ともいわれている。
それらの山地から、東には長江(C)、黄河(D)、南にはメコン川(E)、西にはインダス川(F)などの大きな川が流れ出ている。
※キーワード:ヒマラヤ山脈、チベット高原、長江、黄河、メコン川、インダス川


アジアは人口が多く、世界人口(82億人)の約6割の46億人が住んでいる(2019年)。
世界の中で人口が10億人をこえるのは、中国とインドの2国のみである。中国の人口は14.16億人で世界2位で、インドの人口は14.64億人で世界1位である(2025年)。
一人っ子政策をとったために中国の人口増加率が低下しているのに対し、インドは出生率が高い状態が続いている。
※キーワード:世界人口の6割、中国14.1億人、インド14.6億人、一人っ子政策
東アジアの文化は、古くから中国の影響を受けてきた。東南アジアの文化は、中国やインドなどの影響を強く受けている。
中国系の人々(華人)は、東南アジアの各地に移り住み、商業や金融業を営む中で中国の文化を広めた。
また、インド人によってヒンドゥー教がもたらされた。そのほか、西アジアの商人によってイスラム教が、アメリカやヨーロッパの植民地になった影響で、フィリピンを中心にキリスト教が広まった。
一方、西アジアでは、主にアラビア語が使われていることや、イスラム教が広く信仰されていることなどの特徴が見られる。
※キーワード:華人、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、アラビア語
中国では、人口の約9割をしめる漢族(漢民族)のほかに、55の少数民族がくらしている。
少数民族は主に中国の西部で生活している。このように、多様な文化や宗教が入りまじり、さまざまな民族がくらしている国を多民族国家という。
※キーワード:漢族(漢民族)、少数民族、多民族国家
中国は、工業の発展をはかるため、1979年にシェンチェンやアモイなどの沿岸部の5都市を経済特区に指定した。
日本やアメリカの企業にとって、安くて豊富な労働力が手にはいる中国へ進出する利益が大きかったので、あいついで進出を行った。
1990年代から、中国は高い経済成長を続け、「世界の工場」と呼ばれるまでになった。
しかし、経済成長の中心は沿岸部の都市で、内陸部とくに農村は貧しいままになっており、その経済格差は拡大し続けている。
沿岸部と内陸部の経済格差をなくすため、「西部大開発」が進められている。
中国の首都はペキンである。シャンハイは、中国最大の都市で、大きな貿易港がある。ホンコンは1997年にイギリスから中国に返還された都市である。
※キーワード:経済特区、安くて豊富な労働力、世界の工場、経済格差、西部大開発
中国の農業は大きく3つの地域に区分される。
揚子江流域の華中やチュー川流域の河南など、温暖で降水量の多い地域では稲作や茶の栽培がさかんである。華南のチュー川流域では、暖かい気候を利用して米の二期作が行われている。
降水量が少ない黄河流域の華北や東北地方では、小麦、大豆、とうもろこしなどの畑作が中心である。
乾燥した西部では羊などを飼う牧畜(遊牧)が行われている。
中国は、小麦や米の生産量が世界1位である。しかし、人口が多いため、生産された小麦や米は国内で消費され、さらに、不足分は輸入にたよっている。
※キーワード:南部で稲作、北部で畑作(小麦や大豆)、西部で牧畜(遊牧)
近年急速に工業が発達した国や地域をNIES(新興工業経済地域)という。
このうち、アジアにある韓国、台湾、ホンコン、シンガポールをとくにアジアNIESと呼んでいる。
韓国は、1960年代は軽工業が中心であったが、1970年代に、重化学工業が南東部沿岸で発達した。1990年代以降に半導体や薄型テレビ、携帯電話などのハイテク産業が急成長した。企業の本社は、首都であるソウルやその周辺に集中している。
台湾は世界的に見ても、コンピューターや半導体などのハイテク産業が盛んな地域である。こうした成長は、アメリカのシリコンバレーで働いていた人々が台湾にもどり、新しく企業をおこしたことがきっかけであった。
※キーワード:アジアNIES、ハイテク産業、ソウル、シリコンバレー
タイ、マレーシア、インドネシアなどのASEAN(東南アジア諸国連合)の国々に、日本企業などが進出した。
これは、日本と比べて労働者の賃金がはるかに安いためである。
タイやマレーシアなどは、工業団地をつくって外国の企業を積極的に受け入れる政策をとっている。
かつて、タイやマレーシアなどの輸出の中心は、鉱産資源(石油、すずなど)や農産物(天然ゴム、米など)が中心であった。しかし、工業化が進み、現在では、機械類などの工業製品が輸出の中心になった。
※キーワード:ASEAN、労働者の賃金が安い、工業団地、工業製品が輸出の中心
マレーシアやインドネシアなどでは、植民地時代につくられたプランテーションという大農園が、第二次世界大戦後には現地の人々によって経営されるようになった。
マレーシアなどでは、アブラやし(マーガリン等を作るためのパーム油の原料)の農園にするために大規模な開発が進み、熱帯林(熱帯雨林)の減少も起こっている。
タイやインドネシアなどのマングローブが広がる海岸では、日本に輸出するためにえびの養殖場がつくられ、フィリピンではバナナ農園が開かれてきた。
東南アジアでは、年に2回米を収穫する二期作が行われている。米の輸出は、タイとインドが世界1、2位を争っている。
農業の機械化が進んで農村で人手が余るようになったため、農村の人々が都市に出て働くようになった。急激な都市化によって生活環境の悪いスラムができたりしている。
※キーワード:プランテーション、アブラやし、熱帯林の減少、二期作、タイの米輸出、スラム
インドでは、バンガロールを中心に情報技術産業(IT産業)(情報通信技術関連産業(ICT関連産業))がさかんである。
インドはもともと数学の教育に力を入れており、英語が話せる人も多い(かつてイギリスの植民地であったから)。
当初はアメリカのシリコンバレーなどへ技術者が渡り、ソフトウェアの開発にたずさわっていたが、現在はインド国内での開発が中心になっている。
アメリカとインドは、約12時間の時差があるため昼と夜が反対になる。アメリカでの夜の時間帯に、アメリカの企業への電話をインドのコールセンターにつなぐことで、24時間対応できるようになる。
※キーワード:バンガロール、IT産業、英語、数学、シリコンバレー、コールセンター
インドでは、ヒンドゥー教が信仰されている。ヒンドゥー教徒は、牛を神の使いと考え牛肉を食べない。
また、ガンジス川は聖なる川とされ、人々が水に身をひたして沐浴(体を清め罪を流し去ること)を行う。ヒンドゥー教はカースト制度といわれる身分制度とつながりが深い。
インドの農業の中心はヒンドスタン平野である。米は年降水量1000mm以上の地域(ガンジス川下流域など)で多く生産されている。降水量が500mm以上1000mm以下の地域では、乾燥した気候に適した小麦の栽培が行われている。
デカン高原では綿花の栽培が、アッサム地方やセイロン島(スリランカ)では茶の栽培が行われている。
インドでは、1960年代から農業の近代化が進められ、農村から都市へと人々が移り住んだ。急激に人口が増えた大都市では、スラムという劣悪な住環境や交通渋滞など深刻な都市問題が起きている。
※キーワード:ヒンドゥー教、カースト制度、ガンジス川、ヒンドスタン平野、米・小麦・綿花・茶、スラム
世界の石油埋蔵量の約半分は、ペルシャ湾沿岸を中心とする一帯に集中している。
日本の石油輸入の約8割はペルシャ湾沿岸の国々からで、その中でも多いのが、サウジアラビアとアラブ首長国連邦である。
西アジアの産油国は、石油の価格や生産量を調整し、産油国の利益を守るため、1960年にOPEC(石油輸出国機構)を結成した。
内陸で産出される石油を港まで運ぶためにパイプラインが利用されている。
西アジアには、アラビア語を使うアラブ系の人々が生活する国が多く、人口のほとんどがイスラム教の信者である。イスラム教徒は、教典の「コーラン」に従って日常生活を送っており、1日5回、聖地であるメッカの方角へ向けて礼拝する。
※キーワード:石油、ペルシャ湾、サウジアラビア、OPEC、イスラム教、コーラン、アラビア語
中央アジアの国々の多くは標高が高く乾燥した気候帯にある。
石炭や石油、天然ガス、さらには、世界的に埋蔵量が少なく貴重なレアメタル(希少金属)などの鉱産資源にめぐまれ、こうした資源を輸出して経済が成長している国もある。
中央アジアの人々も、多くが西アジアと同様にイスラム教徒である。
また、この地域にはシルクロード(絹の道)での交易の歴史的遺産が多くあり、たくさんの観光客が訪れている。
※キーワード:レアメタル(希少金属)、シルクロード、イスラム教
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